ローレット加工(ナーリング加工)とは

ローレットには主に二つの役割があります。一つは、滑り止めとしての役割です。例えば時計のリューズ、ダイアルのツマミ、100円ライターのローラ、カメラのボス、キャップ等の外周部分はよく目にする代表的なものです。
もう一つ、ローレット(ナーリング)は目に見えない部分でも役割を果たしています。圧入部品(インサート)の接続部に加工して、摩擦係数を上げたりギザギザを食付かせたりすることで、抜け止め・回り止めとしての役割を果たします。
以下は、当社による本ツールに関する技術専門誌掲載論文です。ご参照くださいませ。
「ツールエンジニア
03年9月号」ダウンロード(PDFファイル:629KB)>>
転造方式と切削方式
2種類のローレット加工方法の比較
ローレットには大きく分けて転造方式と切削方式の2種類の加工方法があります。
条件や目的に合せて最適な方法を選択することをお勧めします。
転造ローレット |
切削ローレット |
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メリット
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メリット
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デメリット
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デメリット
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対応材質・形状
材質 | 銅・真鍮 | アルミニウム | 鉄 (SS材等) |
鉄 (SSM材等) |
鋳鉄 | 樹脂 | チタン |
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転造 | ○ | ○ | ○ | △ | △ | × | △ |
切削 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
ワーク形状 | 段差際 | 中空材 | テーパ部加工 | 長尺材 | 中間部加工 | 内径部加工 | 小径材 |
転造 | ○ | △ | ○ | △ | ○ | △ | △ |
切削 | △ | ○ | △ | ○ | × | × | ○ |
*上記はあくまで一般的な指標です
段差の際まで加工
中空ワーク
小径ワーク
樹脂ワーク
ローレット(ナーリング)の豆知識
ローレット(ナーリング)のピッチと深さの関係

ローレット(ナーリング)のピッチの表し方
- m=モジュール 2ピッチ円(山の高さの中心線)から頂点までの距離を表し、外周ピッチに換算するにはこの数値に3.14をかける。
たとえばm=0.3のときP=0.3×3.14=0.942≒1.0と近似値換算する。 -
No.=番手 インチの中に何山あるという指示。つまり25.4÷番手=ピッチになる。
例えば、26番=25.4÷26=0.977≒1.0と近似値換算する。